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ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)
ラベンダー・アングスティフォリアは、標高1,000m以上の高地に生育している、高さ20~100cmほどの常緑小低木です。
古代ローマ人は、入浴時に、ラベンダーを入れて香りを楽しんだといわれていることから、ラベンダーの学名「Lavandula」は lavo(洗う)に由来しているといわれています。
もうひとつは、花の色が lividus(青みがかった鉛色)に由来しているともいわれています。
ラベンダー・アングスティフォリアは「真正ラベンター」「イングリッシュラベンダー」「コモンラベンダー」とも呼ばれています。
基本情報
- 学名・・・Lavandula angustifolia ssp. angustifolia
- 科名・・・シソ科
- 主な産地・・・フランス
- 抽出方法・・・水蒸気蒸留法
- 抽出部位・・・葉と花(花穂)
- 注意事項・・・使用方法と使用量を守りましょう。
- 香りの分類・・・ハーブ系
- 香りのノート・・・トップノート
- ブレンドファクター(B・F)・・7
- 五行・・・火、木
ラベンダー・アングスティフォリア精油の主な成分と作用
【主な成分】リナロールと酢酸リナリルが主成分となります。
モノテルペンアルコール類: リナロール(30~50%)、ボルネオール
エステル類: 酢酸リナリル(25~45%)、酢酸ラバンズル
モノテルペン炭化水素類: オシメン
セスキテルペン炭化水素類: β-カリオフィレン
ケトン類: 3-オクタノン
酸化物類(オキサイド類): 1.8シネオール
【主な作用】
鎮静、血圧降下、抗不安、鎮痙攣、神経バランス回復、鎮静、鎮痛、抗炎症、瘢痕形成(創傷治癒)、精神安定
ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)精油の効能
身体への作用
血圧を降下させる作用があります。痛みを緩和する作用があり、胃痛や、筋肉痛、神経痛、リウマチなどに良いとされています。
皮膚への作用
あらゆる肌タイプに幅広く使用できます。やけど、ニキビ、日焼けなどの皮膚の炎症や、かゆみ、虫刺されなどにも使用できます。
精神への作用
自律神経のバランスを整えます。精神疲労や不安からくる不眠に働きかけます。
おすすめブレンド
ほとんどの精油と相性がいいです。
心を落ち着けたいときには、ベルガモットとのブレンドがおすすめです。
ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)精油の主な使い方
様々な精油と相性がいいため、幅広く使用できます。芳香浴や、アロマバス、湿布、 フェイシャルスチーム 、ボディトリートメントなどに適しています。 アロマクラフトでは、スキンローション、石けん、虫よけスプレー、クレイパックの素材などに使用できます。
サシェなどの匂い袋やアイピローとしての素材としても使用されています。また、ハーブティーとしても飲まれています。
ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)精油はこちらから
ラベンダー・スピカ(スパイク・ラベンダー)
ラベンダー・アングスティフォリアに比べて背丈が高く、標高500m以下の低地に生育しています。同じラベンダーですが、ラベンダー・アングスティフォリアとは成分が違います。
「スパイクラベンダー」「野生ラベンダー」「ラティフォリア」とも呼ばれています。
基本情報
- 学名:Lavandula spica
- 科名・・・シソ科
- 主な産地・・・フランス、スペイン、ポルトガル
- 抽出方法・・・水蒸気蒸留法
- 抽出部位・・・葉と花(花穂)
- 注意事項・・・妊娠中、授乳中、乳幼児、高齢者、てんかん患者には使用を控えてください。皮膚刺激があるため使用量に注意してください。
- 香りの分類・・・ハーブ系
- 香りのノート・・・トップノート
- ブレンドファクター(B・F)・・・3
ラベンダースピカ(スパイクラベンダー)精油の主な成分と作用
【主な成分】リナロールと1.8シネオール、カンファーの含有率が高いです。
モノテルペンアルコール類: リナロール(35~50%)、α-テルピネオール、ボルネオール
酸化物類(オキサイド類): 1.8シネオール(15~35%)
ケトン類: カンファー(5~15%)
モノテルペン炭化水素類: α-ピネン、β-ピネン、リモネン
セスキテルペン炭化水素類: β-カリオフィレン
【主な作用】
去痰、抗カタル、鎮痛、免疫刺激、瘢痕形成(創傷治癒)、抗菌、抗真菌、抗ウイルス、精神強壮
※抗カタル作用とは・・・粘膜の炎症(鼻や喉など)で過剰になった粘液を溶解、排出させる作用のこと
ラベンダースピカ(スパイクラベンダー)精油の効能
身体への作用
1.8シネオールは、痰や咳、気管支炎に働きかけ呼吸器系によいとされています。カンファーは緊張性頭痛によく頭をすっきりさせます。
皮膚への作用
抗菌、抗真菌作用があるため、ニキビや脂性肌によいとされています。頭皮ケアにも適しています。ただし、刺激が強いため顔への使用は注意が必要です。
精神への作用
真正ラベンダーと比べて、すっきりとした香りのため、眠気を覚ましたり、活力を高めてくれます。
おすすめブレンド
ハーブ系、柑橘系、樹木系の精油と相性がいいです。
レモンとのブレンドは元気が出る香りです。
ラベンダースピカ(スパイクラベンダー)の主な使い方
芳香浴や、吸入、ボディトリートメント、ルームスプレーなどに適しています。
ラベンダースピカ(スパイクラベンダー)精油はこちらから
ラベンダー・スーパー(ラバンジン)
ラベンダーアングスティフォリアとスパイクラベンダーの交配種です。「ラバンジン」「ラベンダー・レイドバン」とも呼ばれています。
基本情報
- 学名:Lavandula X intermedia clone super
- 科名・・・シソ科
- 主な産地・・・フランス、スペイン
- 抽出方法・・・水蒸気蒸留法
- 抽出部位・・・花穂
- 注意事項・・・妊娠中は控えましょう。皮膚刺激があるため、敏感肌の方は低濃度で使用してください。
- 香りの分類・・・ハーブ系
- 香りのノート・・・トップノート
- ブレンドファクター(B・F)・・・3
ラベンダースーパー(ラバンジン)精油の主な成分と作用
【主な成分】リナロールと酢酸リナリルが主成分となります。
エステル類: 酢酸リナリル(30~50%)、酢酸ラバンズリル
モノテルペンアルコール類: リナロール(25~40%)、ボルネオール
モノテルペン炭化水素類: cis-β-オシメン、trans-β-オシメン
セスキテルペン炭化水素類: β-カリオフィレン
ケトン類: カンファー
酸化物類(オキサイド類): 1.8シネオール
【主な作用】
去痰、鎮痛、鎮痙、血圧降下、瘢痕形成(創傷治癒)、筋肉弛緩、抗菌、抗真菌、殺菌、精神安定、精神強壮
ラベンダースーパー(ラバンジン)精油の効能
身体への作用
呼吸器系に働きかける成分が、真正ラベンダーより多く含まれるため、すっきり感があります。運動後の筋肉の鎮静に働きかけます。
皮膚への作用
創傷治癒作用により、傷の治りを早める働きをします。敏感肌の方は顔への使用は控えてください。
精神への作用
ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)の方が鎮静作用は強いですが、ラベンダースーパー(ラバンジン)も鎮静作用をもちます。また、精神強壮作用もあるため、精神のバランスを調整してくれます。
おすすめブレンド
ほどんどの精油と相性がいいです。
オレンジスイートとのブレンドはリフレッシュ効果が高まります。
ラベンダースーパー(ラバンジン)の主な使い方
芳香浴や、ボディトリートメント、ルームスプレーなどに適しています。
ラベンダースーパー(ラバンジン)精油はこちらから
ラベンダー・ストエカス(フレンチ・ラベンダー)
ラベンターストエカスは、耐暑性の低木です。他のラベンターの花と比較すると、花穂が長く、2~5cm程になります。包葉が大きく幅が広いのが特徴です。
様々な種類があり、古くから地中海沿岸の地域で、薬用や化粧品として使用されてきたといわれています。フレンチラベンダーとも呼ばれています。
基本情報
- 学名・・・Lavandula stoechas
- 科名・・・シソ科
- 主な産地・・・フランス、スペイン
- 抽出方法・・・水蒸気蒸留法
- 抽出部位・・・花穂
- 注意事項・・・妊娠中、授乳中、乳幼児、高齢者、てんかん患者には使用はしないでください。他のラベンターとは含有成分が異なり、ケトン類が主成分になります。他のラベンダーとは使用方法が異なるため注意が必要です。
- 香りの分類・・・ハーブ系
- 香りのノート・・・ミドルノート
- ブレンドファクター(B・F)・・・1
ラベンダーストエカス(フレンチラベンダー)精油の主な成分と作用
【主な成分】ケトン類の含有率が高いです。
ケトン類: フェンコン(25~50%)、カンファー(15~40%)
酸化物類(オキサイド類): 1.8シネオール(1~15%)
モノテルペン炭化水素類: カンフェン、α-ピネン、リモネン
エステル類: 酢酸ミルテニル、酢酸ボルニル
【主な作用】
去痰、抗カタル、粘液溶解、抗菌、抗真菌、抗炎症、細胞成長促進、瘢痕形成(創傷治癒)脂肪溶解、精神強化、精神高揚
ラベンダーストエカス(フレンチラベンダー)精油の効能
身体への作用
呼吸器系の疾患や、むくみに働きかけます。
皮膚への作用
刺激が強いため敏感肌の方は使用を控えましょう。フェイシャルケアには不向きです。
精神への作用
頭をスッキリさせ、心を浄化させます。落ち込みや、無気力なときの精神高揚に役立ちます。
おすすめブレンド
柑橘系や樹木系の精油との相性がいいです。
サンダルウッドとのブレンドは、気分を落ち着かせてくれます。
ラベンダーストエカス(フレンチラベンダー)の主な使い方
芳香浴やボディトリートメントに適しています。香水にも適しています。
まとめ
ラベンターには様々な種類があります。
ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンター)はスキンケアに向いていますが、ラベンダースピカ(スパイクラベンダー)とラベンダースーパー(ラバンジン)は、刺激が強いため顔への使用は注意が必要です。
ラベンターストエカスは、他のラベンターとは使用上の注意事項が異なります。使用時は注意しましょう。
ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)はこの中では、鎮静作用が一番高いといわれています。個人の用途に合わせて、精油を選びましょう。