西ヨーロッパが衰退した後は、西洋の文化は、イスラム帝国に取り込まれ、イスラム帝国の文化、科学の中心となりました。

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アラビア・イスラム世界

ピポクラテスやガレノスのなど著書をアラビア語に翻訳されました。アラビアは医学も発展しました。イスラム世界では、8~9世紀にかけて、水蒸気蒸留法が確立され、バラ水が生産されました。

イブンシーナ

イブンシーナは、イスラム帝国時代に活躍した医師です。また哲学者でもあり、天文学や数学、薬学でも実績を残しました。イブンシーナの「医学典範(カノン)」は、古代ローマのガレノス医学を基に、体系的にまとめられたものになります。薬の部分は、ディオスコリデスの「薬物誌」を基にしています。
ヨーロッパでは、17~18世紀ごろまで大学の教科書として使用されていました。イブンシーナは芳香蒸留水を治療に使用しました。

中世ヨーロッパ

中世ヨーロッパでは、疫病に侵された医師の代わりに修道士が医療を担い、キリスト教の修道士たちによる修道院医学が盛んでした。キリスト教と教会が勢力をもった時代です。

医学校の開設

修道院医学が盛んな時代には、イタリアのサレルノ医学校や、フランスのモンペリエ医学校などの開設につながりました。十字軍の遠征により、ヨーロッパとアラビア間の交通が発達し、アラビアの文化や技術はヨーロッパに伝わりました。
後ほど、医科大学となる医学校の設立には、十字軍の遠征が影響を与えています。

ペストの流行

中世ヨーロッパでは、伝染病のペストが流行しました。死亡率も高く、肌が黒くなるため黒死病とも呼ばれます。ペスト対策として、ハーブやスパイスを詰めた「ポマンダー」や、ハーブや樹木や樹脂などを燻製させたりしました。
オレンジにクローブをさし、スパイスをまぶして乾燥させた「オレンジ・ポマインダー」は今でも作られています。

ヒルデガルト

ヒルデガルトは中世ドイツで活躍した修道女です。また、女子修道院長で音楽家でもあり、神のヴィジョンを見る神秘家でもあります。
ヒルデガルトは、薬草や医学について著書を残し、ドイツにおける植物学の基礎を築いたとされています。ラベンダーの種類の区分をしたともいわれています。

まとめ

現在では芳香蒸留水は、化粧水などに利用されています。中世の時代から芳香蒸留水が製造され、治療などに用いられてきたとのことで、長い歴史を感じますね。

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